movicle使用レポ 電動キックボードは超小型モビリティの夢を見るか?
こんにちは。kafortです。港区でβ版サービスが行われているmovicleを使ってみたので雑レポと要望です。使ってみた理由はただ楽しそうだったのと興味。わざわざこのために往復20km自転車に乗る無駄っぷり。
登録と利用方法は公式サイトの通りにすれば問題なかったので省略。免許証の登録から承認まで10分かからなかったのは好印象。
東京タワーのふもとの駐輪場(2時間まで無料)に自転車を停め、一通りの操作方法を確認し、動作に問題無いことを確認して出発。modeボタン長押しを忘れてウィンカー付かねえとあたふたしたのは内緒。東京タワーからだと急な下り坂スタートなのでなかなか難易度が高い。通りに出てアクセルレバーを引くと、一瞬で30km/hまで加速する。
速い…!
30km/hは特に乗り物として速いわけではない。スポーツ自転車に乗れば人力で同じ速度を出せるし、車の制限速度は新東名で120km/hだ。それでも速いと感じるのはほぼ直立で風を正面から感じるからだろうか。スポーツ自転車に初めて乗ったときの「体に翼が生えた」感覚を上回る。数分経つとキックボードの挙動にも慣れ、この速さが
楽しい…!!
に変わる。まるで路上を滑走しているようである。懸念していた坂道も東京によくある5%程度なら余裕で30km/hを維持し、電動アシスト自転車やロードバイクをごぼう抜きできる。
適当に走ってたら返却期限ギリギリで返却。走行距離13.6km、獲得標高93mで電池残量は90%→30%。一般的なシェアリングの用途には十分なバッテリーではないだろうか。
さて、雑レポはここまでにして、ここから真面目な交通としての要望をいくつか。
利用料が高い
最大の課題はこれだろう。β版とはいえ初乗り250円/10分、1000円/60分である。隣のシェアサイクルが150円/30分で余計に高く感じるのもあるだろうが、月額料金がかかるとはいえカーシェア(220円/15分)*1より高いのはいただけない。シェアサイクルより高いのは速い分納得できるが、現状のエリアであまり時間差は付かないだろう。
キックボードに関する問題
まず、電池残量の表示がおかしい。いきなり30%単位で変動する。走り出して少ししか経ってないのに50%になった。帰りに5%の表示を見たときは返却不能を覚悟した。一昔前のスマホ並に当てにならないので早急にアップデートしていただきたい。
2点目はウィンカーのインターフェースの問題。ウィンカーは左グリップの根本の白色のレバースイッチで操作するが、戻すときに反対側まで行ってしまう。さらに手探りで操作すると黄色のクラクションのボタンと近く、誤操作しやすい。ロードバイクのSTIレバーのようにブレーキを下に押すとウィンカーのような操作系がいいと思う(ロードバイク脳)
エリアに関して
β版ということで今後の改良とエリア拡大に期待したいところである。movicleの運営であるCurious Edgeは15km/h制限の小型特殊扱いにしないようである*2ので、今後も制限速度30km/hの、自転車と自動車の間の交通機関を目指すのだろう。
そこで、東京23区西部(大田区・世田谷区・杉並区等)へ乗り捨て可能なシェアサービスの導入をお願いしたい。この地域は都心方面への公共交通は発達しているものの、環状の交通はバスに頼っており、本数も多いとはいえない。幹線道路は環七通り、環八通りがあるが、自転車で走ると陸橋の度に側道へ回され、長い信号待ちが必要となり、かなりの時間がかかる。*3原付一種扱いであれば陸橋を通行でき、かなり高速に移動できる。例として馬込駅→下北沢駅は車で19分、自転車で39分なので電動キックボードなら25分ほどだろうか。ここまで差が付けばシェアサイクルとの時間あたりの料金差も捲れる可能性がある。
まとめ
現状ではアトラクションとしては面白いが、実用性には疑問符がつくと言わざるを得ない。しかし、環七通り等陸橋が多い道路で使うことができればシェアサイクルより便利な存在になると感じた。外環道が全線開通した後、電動キックボードが環七通りの主役となる日を夢見て終わりにしたい。
*1:タイムズの場合 https://share.timescar.jp/fare/use.html
*2:電動キックボードは「小型特殊」扱い なぜ? 警察庁がシェア事業に新特例 最高15km/h | 乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/104395
*3:自転車用の陸橋を造れというのは思わなくないがここでは触れない