サイクリストの聖地「乗鞍」に行ってきた
乗鞍―――日本の舗装道路の最高地点2712m、その称号だけでもサイクリストを引き寄せるのに十分であろう。まだ見ぬ飛騨山脈の絶景を目指し、ゆるふわロングライダー2人がこの地に挑む。
計画
いつか行きたいな~って思ってる所で乗鞍エコーラインとかどうでしょ...
— からす (@kabatake81912) 2021年8月9日
全てはこのリプから始まった。初エンカでのサイクリングなので、知多半島とか渥美半島あたりかな~と思っていた私の斜め上への豪速球であった。数ヶ月前に渋峠を完走し、残るは乗鞍とぼんやり思っていた私は了承し、乗鞍行きの計画が動き出す。
乗鞍を登るとき、決めるべきことは2つ、どちら側から登るか、そしてどこから登るかである。今回は斜度が緩い長野側から、スタート地点は2000m登らないと乗鞍感無いよね~ということで松本市街とした。松本からだと標高1100m地点から26.7kmで頂上に到達するが、高山の場合は同じ標高差を22.2kmで登ることになる。海抜0mから登りたい気持ちはあったが、スケジュールの都合と初回ということで少し妥協。
ただし、松本から乗鞍エコーライン入り口までの国道158号は中部縦貫自動車道のミッシングリンクとなっており、交通量が多いと予想される上、ダムの付替道路でトンネルが多く、幅員に余裕が無い。そこで、松本を早朝に出発し、交通量が少ないうちに乗鞍エコーラインに入ってしまうことにする。これならどれだけダラダラ登っても日没には高山に間に合うだろう。
出発
当日は家で用事があったので特急で松本へ向かう。383系の振り子と駅弁を堪能する。密を避けるための特急でもあったが、通勤ライナーとしての需要もあるらしく、金山と鶴舞でサラリーマンが結構乗ってきた。
まぁつもと~~~~、まぁつもと~~~~~~の駅放送とともに松本着。
輪行解除してホテルまで走る。おやすみなさい。
出走
おはようございます!!!とはいかず、眠い。ぉはよぅございmす…
それでも点検を済まし、ルートと2700mが示された標高グラフを見ると気分が高まる。登るぞー
真っ暗な中だが装備面に不足なし、我々はゆるふわナイトライドガチ勢だ
急峻な山に囲まれており、ダムが作りやすい地形なのかダムが多い。稲核ダムで記念撮影。交通量は少ないといってもトンネル内でたまにトラックが追い抜いていく。こわい。
乗鞍エコーライン
奈川渡ダムを過ぎ、左折するとついに乗鞍エコーライン、r84へと入る。ここまで来れば松本~高山の通過交通がいなくなるので一安心。しばらく走ると山とうっすら線のような道路が見える。あそこまで行くのか…?
唯一の目標が完走、まだ朝で時間はたっぷりある、を合言葉にのんびり登る。
三本滝レストハウスで休憩、だが施設はやっていない。自販機で水分を調達する。この時点で渋峠(草津温泉発)の獲得標高は越えているが、乗鞍は残り900mある。そしてマイカー規制区間へ。
…紅葉だ!!さすが標高2000m、季節が先を行っている
位ヶ原山荘でおしるこ休憩。9月におしるこ?と思うなかれ。積乱雲に見送られるように出発し、今は色づき始めた木々を見ている我々は季節感が完全にバグり、違和感無く肌寒い気温とおしるこを楽しめるのである。
隣に停めてある見るからに高そうな自転車を二度見して休憩を終えると待ち受けるはこの景色
森林限界。
自力で山を登り、この景色を見る。これだけで来てよかったと思える。
もはや雪が夏を越えて残っているのにも違和感を感じないが、紅葉と雪をともに間近で見られるのは珍しいのではないだろうか。
絶景に足を止め、写真を撮ったり、歩きと変わらない速度で進み…
乗鞍エコーライン、完走!!!!
…寒い!!!
……あと前が見えん!!
どうやら西からの雲が飛騨山脈に突っかかってるせいで松本側と全然天気が違う。近くの温度計を見ると8度。そら寒いわ。
乗鞍スカイライン
ごはんは飛騨牛の焼肉定食。うまい。(語彙力不足)
防寒装備を整え、ダウンヒルへ。雲なのか霧なのか分からないこの中に突っ込んでいく。これはこれで山という感じでよいなあ
…と思ったら後輪ロックして死ぬかと思った。あぶねぇ…
高山盆地に入ると季節が逆行し、THE・夏という感じの天気に。
15:00に高山着。乗って通り過ぎただけだったので歩くのは初めてだったり。
日の入りまで時間もあることだし折角なので散策し、氷菓の聖地(からすさん情報)でおやつ。城下町の雰囲気が結構残ってていいところだなあ
ここでからすさんと別れて単独行動。お疲れさまでした~。
高山城でも行くかと思ったら登山が始まった。登った先も眺めは特に良くなかった。残念。
それでも高台から見下ろす盆地はやはりいいものだ。
温泉行って輪行して特急課金して酒、完璧な帰路。
おわりに
帰ってきて1週間後にブログを書いているが、まだ旅の余韻が残っているような気もする。事前に写真で見るよりも、自らを動力として辿り着いた絶景は桁違いの感動をもたらしてくれる。
今回は獲得標高2500mのライドとなったが、その割には脚が残っているのは写真撮って休憩していたのと、平均斜度が比較的ゆるいからであろう。如何に普段重いギアを踏んで脚をすり減らしているかも実感した。ロングライドの幅を広げるためにもギア比いじりは考えないとなあ。
また来るときには海抜0mの富山湾からスタートして畳平から登山で剣ヶ峰、自らを動力に標高差3000mを登りたいなあ!!
旅行日:2021-09-22~23
Special Thanks: からすさん